シロアリと黒アリは似ているようでまるで違う昆虫です。
シロアリはアリの仲間ではなく、ゴキブリの仲間の昆虫です。
日本の木造家屋に被害を与える（食害する）シロアリは数種類います。

シロアリは日本で 22 種ほどいます。木造建築の害を与えるシロアリには「ヤマト シロアリ」、「イエシロアリ」、「アメリカカンザイシロアリ」が多いです。

「ヤマトシロアリ」は北海道北部を除く日本全域に生息する一番メジャーなシロアリです。大きな巣を作るのでなく、土台等の食害部分(蟻道)が巣をかねています。乾燥に比較的弱いので、湿った木材や地中に生息しています。1つの巣に生息する個体数は数千〜3万匹ほどです。京阪神地域の95%はこの種で、山の中、公園、庭等、自然界で普通に生息しています。羽アリは4月から5月にかけての日中に群飛します。

ヤマトシロアリ

ヤマトシロアリの羽蟻

「イエシロアリ」茨城県を北限とする海岸線沿いに多い。巣毎の個体数が多く、被害が甚大になる傾向があります。イエシロアリは建物や土中に塊状の大きな巣をつくり、普通数十万匹、大きい巣では100万匹にも達します。加害速度も速く被害は激烈です。イエシロアリの羽蟻の色はヤマトシロアリのような黒褐色ではなく黄褐色です。

「アメリカカンザイシロアリ」は輸入材より侵入し日本各所にて発生の外来種です。特別な固定巣を作らず、巣毎の生息個体数が少ないです。（完全駆除が非常に難しい種類）乾いた木材中の僅かな水分で生育できるシロアリで、加害は建物下部材だけでなく、小屋組材までおよびます。羽蟻は黒褐色でヤマトシロアリによく似ています。

木材（や紙）はセルロースという栄養価が高く甘い炭水化物でできています。（シロアリ以外の多くの生物はセルロースを分解できないのですが、）シロアリは体内にいる共生生物がセルロースを分解してくれるので、美味しい栄養分を接種するため、木材を餌にするのです。

シロアリの天敵である黒アリがシロアリを食べるのは、セルロースを分解できない黒アリがシロアリを食べることで簡単に栄養摂取できるからです。
シロアリの巣のそばには黒アリの巣があるのもうなづけますね。

シロアリは森の中で伐採された木材のセルロースを分解発酵し土壌を作り植物を再生させる益虫でも、私たちの大切な木材住宅には損害を与える害虫です。

シロアリはどこにでもいます。機密性の高くなった住宅はシロアリの格好の住処であり栄養源です。どこにでもいるのでシロアリを寄せ付けない対策・防除が必要なのです。

シロアリは床下からご自宅へ「おじゃまします」と、そっと入ってきます!
そしてどんな材質でもかじります!コンクリートに覆われたことにより、シロアリは外敵から身を守れ、暖かな密閉された空間を永久に手に入れるのです!
ヒビ、継ぎ目等の隙間を利用して蟻道を作り、木材質を探して食べます!

シロアリは栄養源として、木材のセルロースやヘミセルロースを分解（腸内の共生生物が分解発酵させます）して食糧にしています。
木材製の玄関ドアや柱、床板、和室の畳まで食べ尽くされます。

暖かくなる4月〜6月頃にシロアリの羽蟻が分巣のため飛ぶようになります。羽蟻をみたら近くにシロアリの巣があるはずです！
この時期になったら特にシロアリを寄せ付けない対策・防除が必要です！
床下の今の状況を把握（床下健康診断）しておくことが大切になります。